消費カロリーの計算と基礎代謝に関する整理:ダイエットの基本


はじめに


今回は、ダイエットやボディメイクに必須ともいえる消費カロリーの計算です。これをしなくてはダイエット計画の立てようがありませんから必ずしなくてはなりません。


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もっとも、消費カロリーの計算の話になると必ず基礎代謝という単語が登場し、これが議論を混乱させているのでそこも整理してみたいと思います。

消費カロリー

消費カロリーの計算方法


最初に

ここでは、消費カロリーの計算方法としては、筋トレを用いたダイエット・肉体改造のコーチとして世界的に有名なクリス・アセートとマイケル・マシューズの方法を紹介します。

なお、以下で登場する除脂肪体重は、体重-体脂肪量です。体脂肪量は体重×体脂肪率で計算できます。

また、後の基礎代謝に関する議論に備えて、経験豊富なこの二人を実践派と呼ぶことにします。

クリス・アセートの消費カロリー計算

クリス方式

上記が、クリス・アセートがその著書で紹介している方法です。特徴は、基礎代謝の計算がシンプルでかなり低いのと、その反面生活強度が結構高めであることです。

マイケル・マシューズの消費カロリー計算

マイケル方式

上記が、マイケル・マシューズがその著書で紹介している方法です。特徴は基礎代謝が除脂肪体重の完全比例でない点と、生活強度が低いことにあります。なお、マイケル・マシューズは男性向けと女性向けの2冊を出していますが、この点に関しては両書とも同じです。

マイケル・マシューズの生活強度の数字は、クリス・アセートをはじめとする他の方法よりもかなり低いのですが、著書の中において、ほかの数字が高すぎるのであって、体重を減らしたり、脂肪を付けずに体を大きくしたりするための目安とするにはこれくらいだと言っています。

まとめ

体重50kgで体脂肪率が20%だとすると、基礎代謝は、

クリス・アセート方式だと920kcal
マイケル・マシューズ方式1234kcal

となります。

そして、週3回運動している場合消費カロリーは、

クリス・アセート方式だと1288kcal
マイケル・マシューズ方式1480kcal

となります。

体重を落としたいのであれば、摂取カロリーをこれ以下にする必要があります。

もっとも、クリス・アセートはこの計算値を摂取カロリーの目安とし、筋トレをして筋肉をつけ脂肪を燃やそうと言っているのに対して、マイケル・マシューズは、上の消費カロリー以下にしないと体重は減らないのだからとして、最終的に体重×24倍(上の例だと1200kcal)をダイエットのための摂取カロリーに設定します。そう考えると両者の数字は結構似てきます。

この数字をみてどう思うでしょうか。低すぎると思った人は多いのではないでしょうか。しかし、これが世界的に有名な肉体改造トレーナーの指導です。

実践派の見解の特徴


目的しか考えていない

この二人の消費カロリー計算の特徴は、ダイエットのための一日の摂取カロリー量を計算するためのモデルと割り切っているところです。そもそも一日の消費カロリー量を正確に計算しようとはしていません。

例えば、運動を週3回するとしたら、運動する日としない日では消費カロリーは違うはずです。また、運動の内容によっても消費カロリーは違うはずです。

しかし、マイケル・マシューズはその著書の中で、その点に言及しており、実際には消費カロリー計算は積み上げ計算であるが、日別の個別的な消費カロリー計算なんていう面倒なことをしなくてもこれでうまくいくし、この方が食事管理しやすいから有用だと言っています。

そもそも食事管理の目安なのだから(食事管理自体がそんなに厳密に出来るものではない)、難しく考えてもしょうがないということでしょう。また、上記の方法は、Katch McArdleという学者の方法を自分の経験に合わせて修正したものです。

また、クリス・アセートも大学のヘルスサイエンス学科を首席で卒業した秀才です。本来は基礎代謝が除脂肪体重の23倍(海外主流のポンド計算だと体重の10倍というシンプルな数字)といった簡単な計算のはずないことは知っているはずです。

しかし、自身の経験から、これで十分うまくいくと考えて上記のように説明しているのだと思います。

この二人はダイエットの実践ということしか考えていません。そして、式の根拠は、“これでうまくいくから”ということになります。理論の積み上げで精密な消費カロリーを計算しようとしているわけではありません。

除脂肪体重を重視

また、この二人は基礎代謝の計算において除脂肪体重を重視します。筋トレをして代謝を増やすことが、脂肪を燃やす上で重要だという主張をする二人ですから、当然基礎代謝の計算の中心となるのは除脂肪体重つまり筋肉量です。

根底にあるのは、同じ体重でも体脂肪率が違えば基礎代謝は全然違うという考えです。

疑問

ここである疑問が生じます。ネットなど基礎代謝と入れると、基礎代謝を計算するサイトがたくさん出てきます。そこでは、性別、年齢、身長、体重などを入力すると基礎代謝が計算されます。しかも、その根拠として、複雑な計算式が書いてあります。また、日本人に合わせて修正していると説明しているところもあります。

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しかし、体脂肪率を入れるところが出てきません。そこで、いったいこれは何なのかという疑問が生じます。

筋トレして代謝を上げるという情報がたくさんありながら、体重が同じなら体脂肪率は関係ないというのはなかなか受け入れがたい考え方です。

その結果、上記の方法でうまくいった人たちや筋肉が増えると代謝が増えると考える人達は、以下のようにネット上のサイトに疑問を投げかけます。

「体脂肪率を考えずに基礎代謝を計算するなんてインチキだ。あの計算で出てくるのは自分の基礎代謝ではなくて、その体重、その身長、その性別、その年齢の人たちの基礎代謝の平均値という統計データでしかない。自分のダイエットのためには何の役にも立たない。」

この考えは正しいのでしょうか、間違っているのでしょうか。

理論派の反論


ためしてガッテン

上記の意見に対して、一部の理論派の人たちは反論します。学者ではなく、ネット上の理論派ダイエット博士たちにとってはその根拠となる有名なテレビ番組があります。

私も大好きですが、NHKの『ためしてガッテン』です。その内容は以下のブログが詳しいです。
http://ameblo.jp/nyadiet/entry-10759806467.html

この実験では、普通の人と筋肉のある人で基礎代謝を正確に測って比べたところ、基礎代謝と筋肉量に関係がなかったことが判明したと言っています。

もっとも、この実験のポイントは、基礎代謝の正確な測定方法として、食事後14時間を経た後に、布団の中でじっとしている時の消費カロリーを調べているという点です。

考えてみれば、基礎代謝とは生命維持のためだけに必要なカロリー量ですから、全く動かずに布団の中で寝っころがって安静にしている時の消費カロリーです。したがって、その主要な要因は脳と内臓であり、筋肉の影響はそれほどないことになります。動かしていないのだから、新陳代謝のみでいったら、脂肪も筋肉もたいして変わりありません。

そう考えると基礎代謝の計算において筋肉を特別視するのはおかしいということになり、体重こそが重要であるということになります。

理論派の結論

「基礎代謝とは生命を維持するためのみに必要なエネルギー量。したがって、筋肉を動かしていない時のエネルギー量であり、筋肉量を重視して基礎代謝を除脂肪体重に基づいて計算しようとするのはおかしい。新陳代謝の対象という観点からは脂肪も筋肉も同じでああるから、体重に基づいて基礎代謝を出す方法が正確な方法であり、体脂肪の影響を無視する方がおかしい。ネットに良くある基礎代謝計算に文句をつける方が無知である。」

ということになります。

個人的見解


私の個人的見解はシンプルで、「食後14時間後に布団の中で安静にしている時の消費カロリーは何の役にも立たない」です。

確かに、それが学者さんのいう基礎代謝なのかもしれませんが、こちらとしては学会発表のために基礎代謝の計算をしたいわけではなくて、自分のダイエットの目安となる消費カロリーを計算するのが目的です。

私たちは、一日中寝ているわけではありません。デスクワーク中心という人でも、なんだかんだいって動き続けています。そして、動かしている脚や手に筋肉が多ければ多いほど消費カロリーは多いはずです。動いている時に、動く筋肉とそれに乗っかっているだけの脂肪を分けて考えないというのはどう考えてもおかしいと思います。

また、筋肉を動かしていない時の消費カロリーに生活強度をかけるというのもおかしいと思います。生活強度というのは、要は運動量のことですから、脳と内臓の消費が8割を占める数字に生活強度をかけて出てくる数字を自分の消費カロリーにしても変な感じです。

上記の『ためしてガッテン』も最終的な結論は基礎代謝ではなく活動代謝が重要であると言っています。それは本当にその通りですが、番組の言うように、仕事中の消費カロリー、食事している時の消費カロリー、お風呂に入っている時の消費カロリー等、を積み上げ計算するのがやってられないから、また、そここそが筋肉量によって異なるから、あらかじめ基礎代謝に筋肉量を反映させ、それに生活強度をかけるという簡便計算をするわけです。

生活強度から活動代謝を計算する時に、内臓と脳のみで筋肉がほとんど動いていない時の消費カロリーはベースにならないと思います。

したがって、除脂肪体重をベースに基礎代謝を計算する実践派の計算式は、学術上の基礎代謝の計算という観点からは、おかしいのかもしれませんが、きわめて実践的だと思います。

また、それで成功例がたくさんある以上、最終的な結論に疑問をはさむのであれば、自分がより多くの事例を経たうえで、よりうまくいくという式を編み出すしかないと思います。

結論


基礎代謝を除脂肪体重の何倍という形式で計算する実践派の方法は、厳密な意味での基礎代謝の計算としては、間違いなのかもしれないませんが、消費カロリー計算の基礎としては、理論上の基礎代謝よりも有用だと思います。

したがって、ネットでよく見られる体脂肪率なしで計算する基礎代謝は、自分の消費カロリー計算の基礎としては役に立たないと思います。

大事なことは便利で使える計算方法です。もっとも、簡便計算でしかないので、最終的に各自の調整が求められるのは当然です。

参考


今回参考したのは下記の書籍です。

クリス・アセート『ダイエットは科学だ』体育とスポーツ出版
Michael Matthews BIGGER LEANER STRONGER
Michael Matthews THINNER LEANER STRONGER

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
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