締まった体を実現する筋トレダイエット12週間プログラム


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はじめに


今回は、締まったスリムな体を12週間で目指す筋トレダイエットプログラムを紹介したいと思います。

トータルで12週間、4週間を1フェーズとして3フェーズに分けるプログラムです。

もっとも、冷静に考えて見れば分かるように最初に12週間ありきのプログラムです。つまり、肉体改造期間の目安として、12週間が最適であるとか、4週間ごとに区切るのが良い理論的背景は何もありません。

実際には、現状、年齢、過去の運動経験等を参考にして、体の変化を見ながら適宜変えていくのが一番良い方法です。また、肉体改造は長期的なものであり、12週間で終わるようなものでもありません。

あくまで、12週間という限られた期間で最大限の効果を出すにはどうすればよいのかという前提で考えています。また、実際にやってみれば、どこかのフェーズをもう1週間続けた方が良いという状況はあり得ます。きりが良いから4週間ごとに区切っているだけです(短くなることは考えにくいですが)。

しかし、無理やりにでもフェーズを区切って、それぞれのフェーズごとの目的を明確にしたプログラムを考えてみることは、筋トレダイエットのエッセンスを掴む上で有用だと思います。

なお、このプログラムは、Jamie EasonのLivefit Trainerを参考していますが、作り込み過ぎという感じもするので、かなり私の方で変えてもいます。

筋トレと有酸素

なぜ、3フェーズに分けるか


筋トレダイエットの目的は、筋トレによって代謝を活性化して脂肪を燃焼するとともに、筋肉を維持して締まった体を実現することです。

しかし、本格的な筋トレをしたことがない人の多くは、筋トレがどれだけ体に負担をかけるものかを知りません(体の負担にならないようなものはそもそも筋トレではありません)。

そこで、まじめな人ほど一気に体重を減らそうとして、筋トレを始めるとともに、有酸素運動も始め、さらには食事制限も始めるという失敗を犯します。

しかし、急激な変化ほど体の抵抗を招くものはなく、体の防衛本能を発動させることになります。

長い歴史の間、飢えと闘っていた人類にとって、防衛とは食糧不足を乗り切ることであり、そのための一番効率的な方法は、筋肉を減らして代謝を遅くし、予備エネルギーとしての脂肪をため込むことです。つまり、ダイエットを過激にすればするほど、抵抗してふくよかな体を目指す仕組みが私たちの体には埋め込まれています。

そのような、サバイバルモードになってしまっては、食事制限や運動の効果は半減してしまいます。

筋トレは代謝を活性するから脂肪燃焼に効果的、有酸素運動はカロリーを消費するから脂肪燃焼に効果的、食事制限で摂取カロリーを減らしてカロリー不足にして脂肪を燃焼させる、といっても、3つを同時に始めると効果は3倍ではなく、マイナスになるのです。

筋トレ有酸素食事管理

体は一つのシステムですから、部分的な考えを足してもその通りになるほど単純ではありません。

しかし、だからと言って、上記の3つの考えの一つ一つは間違っているわけではありません。

つまり、筋トレ、有酸素運動、食事制限の3つをうまく融合させたダイエットこそが最も効率的なダイエットであり、どれだけうまく融合させるかこそが肉体改造プログラムの質を決めます。

肉体改造プログラムの質

時々、有酸素運動は不要、筋トレは不要、食事管理は不要といったことを主張する人がいますが、はっきり言って論外です(とにかく体を大きくしたい場合を除く)。

フェーズ1(Week1からWeek4)


目的

このフェーズの目的は、長年の運動不足や不摂生により体の中の眠っている筋肉を叩き起こして、代謝を高めることです。筋トレの目的は、“鍛える”というよりも、活発に動いていた10代や20代前半の状態に戻すことを目指す“リハビリ”的なものです。

また、後のフェーズでの食事管理(カロリー減少)を最大限効果的なものとするための準備として、規則正しい食生活を取り戻します。

筋トレ

フェーズ1に最適な筋トレはバーベルを使った複合関節種目です。

肘を伸ばす、膝を伸ばすといった、ロボットにもできるような関節一つだけの単純動作ではなく、まさに人間にしかできない、複数の関節と筋肉を連動させる動きです。

ボディビル的に特定の筋肉を集中して鍛えるのではなく、押す、引くといった複数の筋肉を連動させる人間本来の自然な動きをして、長年の運動不足で眠っている体全体の運動能力自体を高める(取り戻す)ことが目的です。

できる限り体全体を使うエクササイズで、失われた運動能力を取り戻す必要がありますから、エクササイズはスクワット、デッドリフト、懸垂といった超基本種目に絞ります。そして、ボディメイクのことは忘れて、毎回のトレーニングで1kgでも重いものを持てるように、身体能力のパフォーマンス向上に全力で取り組むことが重要です。

もちろん、どんなに優れた遺伝的素質を持った人でも、4週間筋トレを頑張ったくらいでムキムキになったりしません。

このフェーズでは、1回で全身を鍛えるメニューを週3か週2で実施するのが理想的です。

食事

フェーズ1では、食事管理はしますがカロリーを抑えるという意味でのカロリー制限はしません(もちろん食べ過ぎはNGです)。バランスの良い食事を規則正しく食べる習慣をつけることが一番重要です。

運動不足の人が筋トレを始めると同時に、カロリー制限を始めても良いことはありません。せっかく筋トレしても、エネルギーが足りなければ、代謝は上がりません。むしろ、カロリー不足という異常事態に追加で体にダメージを与えることでサバイバルモードへ体を加速させ、代謝を遅くする方向に向かってしまいます。

後のフェーズでは、食事制限を取り入れながらも、できる限り代謝を高く保ち、脂肪を燃やすことに重点をずらしていきます。そして、フェーズ1で大事なのは、後のフェーズで維持すべき高い代謝を実現することです。特に、運動不足の人が筋トレを始めると、すごい勢いで体が復活していきますから、その変化を支えるための食事管理です。

したがって、フェーズ1では、十分なカロリーをとって、運動不足の体から健康的な体への移行するのが目的です。ここで、体全体を使って高重量に挑戦するエクササイズをするとともにしっかり栄養を取ることで、徹底的に代謝を高めます。

もっとも、カロリー制限をしないからと言ってなんでも食べて良いというわけではなく、高タンパク質・高炭水化物・低脂肪の食事を心がける必要があります。また、脂肪を増やしても仕方がありませんから、いくら食べても良いわけではなく、目安としては、以下のようになります。

炭水化物:体重の3.8倍(g/kg)
たんぱく質:体重の2.2倍(g/kg)
脂肪:体重の0.7倍(g/kg)

いくらしっかり食事をすると言ってもこれ以上取るのは食べ過ぎです。

また、代謝をできるかぎり高く保つために、上記の栄養素を一日5回から6回に分けて食べるのが重要です。一度に食べ過ぎたところで、筋肉が吸収できる量は決まっており、余りは脂肪になるだけですから、こまめな栄養補給を心がけ、食べたものができる限り筋肉に吸収される状態を実現する必要があります。

そして、もう一つ大事なのが、摂取カロリーを安定化させることです。後のフェーズで摂取カロリーを減らすといっても、急激に減らせは代謝が遅くなるだけで終わってしまいますから、少しずつ減らしていくことになります。

しかし、少しのカロリー減少で体が反応するためには、安定したカロリー摂取をしているのが前提となります。昨日は1000kcal、今日は500kcal、明日は2000kcalといった生活を送っていては、いくら食事制限を導入して摂取カロリーを減らしても体はほとんど反応しません。

有酸素運動

フェーズ1では有酸素運動は禁止です。

筋トレ+しっかりとした食事で代謝を高めることに専念します。ここで焦って、有酸素運動を始めてはいけません、体をいじめすぎることになります。

注意点

筋トレを始めると、筋グリコーゲンや保有水分量の増加で筋肉はパンパンになります。したがって、体重は増えるかもしれませんし、見た目も多少ごつくなるかもしれません。

しかし、ぷよぷよした脂肪の下で筋肉が張った状態になっていますから、体全体にハリがでて、いわゆる引き締まった体になるはずです。その引き締まった状態を維持しながら、後のフェーズで上にのっかっている脂肪を落としていきます。

筋トレダイエットに関する一番の誤解がここにあるのですが、体を引き締めるために必要なことは、脂肪を燃やすことと、筋肉を増やすことなのです。

また、水分や筋グリコーゲンの増加は最初だけですから、それ以上にどんどん膨れていくということは起こりません。

人間の体は一つのシステムです。筋トレ、有酸素運動、食事制限を3つ同時に行うことで、代謝が上がり、脂肪も燃えて、締まった体が出来上がるなんて都合よくはいきません。変化は徐々に起こす必要があります。


まず、締まった体の土台となる健康的な体を脂肪の内側に作る必要があります。そして、その体こそが後のフェーズの脂肪燃焼のエンジンになるのです。焦ってはいけません。このフェーズでは、なまった体を叩き起こすことに専念します。

フェーズ2(Week5からWeek8)


目的

このフェーズの目的はズバリ、筋肉増加と脂肪減少を同時に狙いに行くことです。

基本的に、筋肉を増やしながら、脂肪減少させることはできません。しかし、理論的にできないわけではなく、できる人達がいます。初心者です。

運動不足で体がなまっていて筋肉がつきやすいというビギナーバーゲンがあり、健康的かつ安定したカロリー摂取によりわずかな食事制限でも反応する体になっていて、さらに、ある程度体脂肪率が高い体であれば、これは実現できます。

もちろん、筋肉の増加量はごくわずかであり、フェーズ1のように身体能力の復活を全力で目指すのではありません。筋トレの強度はひと段落させますが、体脂肪率をできる限り減少するために何とかして筋肉増と脂肪減を同時に狙いに行くことが目的です。

筋トレ

このフェーズではダンベルが登場します。

両手が一本の棒でつながるバーベルではバランスにそれほど気を使うことなく、体幹全体をつかって、複数の筋肉を連動させる種目により、大筋群及びそれらを支えるインナーマッスルをバランス良く鍛えることができます。ボディビル的な筋トレというより、野球選手やラグビー選手が強い体を作るために行うのがバーベルトレーニングです。

しかし、両手がつながっているからこそ、高重量を扱える半面、動きの可動範囲が狭いという欠点があります。ショルダープレスを考えて見れば分かるように、手を上げれば上げるほど、手幅は狭まり、手を下げれば下げるほど手幅は広がるのが自然な動きです。

この点、自由度の高いダンベルだと、腕を伸ばせるとこまで伸ばして、下げられるところまで下げるといったように、狙った部位の筋肉を可動域いっぱい使うことができます。バランス維持に力を取られるのでバーベルほど重いものは持てませんが、バーベルで目いっぱい追いこんだつもりでも、そこからさらに追い込むことができます。

このフェーズでは、目的を脂肪燃焼にシフトさせますので、カロリー制限をしますが、その状況においても、筋肉を成長させるには、あの手この手で筋肉を刺激するしかありません(カロリー制限しても筋肉成長を維持できるのは、初心者だけです)。

したがって、フェーズ1同様にバーベル種目で身体能力を使い切った後に、さらに体の部位ごとにダンベル種目を導入して、毎回のトレーニングで全身を使い切るようにします。カロリー減少しても、食べたものはできる限り筋肉へ、そして、消費カロリーはできる限り脂肪を燃やして、という状態を狙います。

種目数が増えますので、週3で2分割メニューが理想的です。

食時管理

フェーズ1から炭水化物及び脂肪の摂取量を減らして、摂取カロリーを減らします。もっとも、大きく減らさずに少しだけ減らします。

炭水化物:体重の3.3倍
たんぱく質:体重の2.2倍
脂肪:体重の0.6倍

さらに、これを一日5回から6回に分けて摂取します。

ポイントは、消費カロリーより少し少ないくらいの摂取カロリーを実現し、代謝を下げずに(筋肉成長を妨げずに)、カロリー減少分がそのまま脂肪燃焼に向かう理想的な状態を実現することです。

有酸素運動

有酸素運動を始めますが導入期です。可能であれば筋トレ後に20分行いますが、激しく行うのではなく、目的はあくまでフェーズ3での土台作りです。

ポイントは、20分間ゆっくりで良いから動き続けることです。筋トレでエネルギーを使い切った後に、20分間(それ以上はダメ)止まらずに動き続けることです。

もちろん、筋トレでエネルギーを使い切った後に動くことで脂肪を燃やすという目的もありますが、それ以上に、有酸素運動に慣れておくということが重要です。

ゆっくりで良いので筋トレ後に20分間動き続ける習慣を付けましょう。

注意点

このフェーズが意味あるものになるのか否かはフェーズ1でどれだけ安定したカロリー摂取を実現しているかで決まります。

初心者であれば、フェーズ2の摂取カロリーで筋肉を成長させることは可能です。重要なのはフェーズ1からのカロリー減少に対して体が脂肪を燃焼させて対応することです。

フェーズ1で安定したカロリーを摂取して、わずかなカロリー減少に反応する体になっていることと、スモールミールで代謝をどれだけ高く保つことができるかにかかっています。

また、筋トレで筋肉成長する伸びしろがまだありますから、筋トレ後の有酸素運動は20分で十分です。筋トレ後の有酸素運動は脂肪燃焼に効果がありますが、その反面筋肉の分解も進みます。ここでも焦ってはいけません。

なれない有酸素運動をやりこんだ結果カロリー不足が加速して、代謝が落ち込むのだけは避ける必要があります。か有酸素運動の導入も徐々に行う必要があります。

フェーズ3(Week9からWeek12)


目的

このフェーズの目的は脂肪燃焼のみです。フェーズ2からさらに摂取カロリーを減らすので、いくら筋トレしても、筋肉は増えません。むしろここまで摂取カロリーを減らすと、どれだけ筋トレしても筋肉減少は避けられないので、脂肪燃焼を最大限にしながら、どれだけ筋肉を維持するかがポイントです。

筋トレ

このフェーズでは、ケーブルマシンを重視します。

ケーブルマシンで、動きの最初から最後まで負荷を感じ、しっかりとコントロールした動作で狙った筋肉を使い切ることが重要です。ダンベルよりさらに、コントロールした動作で、狙った筋肉の可動域全体で均一の負荷をかけ、狙った筋肉を使い切ることに主眼を置きます。

このフェーズでは筋肉は増えませんから、高重量を扱う意味はあまりありません(もちろんだからといって軽いウェイトでは意味ありません)。むしろ、大事なことはダンベルやケーブルマシンで、筋肉を使い切ることです。

特に、レップ数を多めにして(12回から20回)しっかりとパンプさせることを重視します。筋肉を可動域いっぱいで使い切り、体全体の血流を最大限に活性化して、脂肪ができるだけ燃焼し、筋肉の減少を最小限に抑えることが重要です。

もっとも、バーベルを一切使わないとか、全ての部位でケーブルマシンを使うのが良いわけではなくて、このフェーズになるとある程度体は変わってきていますから、自分なりの理想な体を目指して、エクササイズを工夫する必要があります。

3分割等で週4回程度トレーニングするのが理想的です。

食事管理

炭水化物摂取量を減らすことによりさらにカロリー摂取量を下げ、しかも段階的に下げていきます。

最初の2週間
炭水化物:体重の2.5倍
たんぱく質:体重の2.2倍
脂肪:体重の0.6倍

次の2週間
炭水化物:体重の2.0倍
たんぱく質:体重の2.2倍
脂肪:体重の0.6倍

脂肪燃焼を最大化するために8時以降は炭水化物の摂取を控える必要があります。

その一方で、起床直後やトレーニング前後にしっかりと炭水化物を摂取して筋肉分解を最小限に抑える必要があります。カロリー制限しているからと言って、空腹状態で筋トレするような事態は避け、トレーニング前後はしっかりとエネルギー補給をする必要があります。

目指しているのは締まったからですから、脂肪を燃焼させながらも、筋肉の分解はできる限り抑える必要があります。

有酸素運動

原則トレーニング後ですが、可能であれば毎日行います。

最大でも30分としますが、30分間体力をセーブするのではなく、しっかりエネルギーを使い切るだけの強度で行う必要があります。

フェーズ2である程度ペースをつかんでいるはずなので、強度を上げて、30分間で目いっぱい脂肪を燃やすことが重要です。

注意点

このフェーズでは、一気に摂取カロリーを下げるので肉体的にはきついのですが、とにかく脂肪燃焼を最優先します。

高い代謝を維持するためには空腹状態が長期間継続するのを避けて、こまめに食べることが重要です。

また、できる限り筋肉を減少させないという観点からは、炭水化物の補給タイミングが非常に重要で、起床直後とトレーニング前後にしっかりと摂取する反面、夜8時以降は避ける必要があります。

終わりに


Jamie Easonのプログラムを参考に12週間で一気に肉体改造を行うという観点からプログラムを考えてみました。

もちろん、3つのフェーズがきれいに4週間ごとに分かれるのか、13週間目以降はどうするのか等の問題はあるのですが、問題はそこではなくて、筋トレ、有酸素運動、食事管理をどう段階的に融合させていくのかという点を、フェーズを分けることで解決することです。

なお、一番特徴的な点はどこかと言えばフェーズ1です。焦らずにここで、後の脂肪燃焼の基礎となる筋肉をじっくりつけることが一番重要です。そして、できる限り活性化した代謝を維持したまま、少しずつ、少しずつ炭水化物を減らしていくのが良い方法です。

どんなダイエットもいずれ停滞しますから、最初に代謝をできる限り高めておいて、少しずつカロリーを下げていくという方法は、あらかじめ停滞期対策を盛り込んでいる点も非常に賢い方法だと思います。


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