脂肪燃焼のための食事戦略2:三大栄養素


スポンサーリンク

今回のテーマ


前回に続き、設定したカロリー量の中で各三大栄養素の量をどう決めるかです。

なお、今回の記事は筋トレをしていることが前提です。筋トレをしないでダイエットしている方にはそれほど厳密な食事管理はいりませんから、摂取カロリーの範囲内で体重の1倍程度のたんぱく質さえ取っておけば問題ありません。そのかわり体重減少と共に減っていく筋肉を食い止めることはできません。

最初にたんぱく質摂取量を決める


まず、たんぱく質摂取に関する基本的な考え方は下記関連記事を読んで参考にしてください。

関連記事

ダイエットのための栄養摂取2:たんぱく質

筋トレしている以上、たんぱく質は最重要栄養素です。そして、目標体重(あまり過激に減らさないこと)の2.2倍(g/kg)はとりましょう。2.2倍以上摂取していけないということはありませんが3倍以上取るのはやめた方が良いでしょう。取り過ぎるのが体に悪いということはないのですが、トータルカロリーを設定している以上、代謝の活性化という観点から、その分炭水化物の摂取量が減るのは避けた方が良いです。

なお、体重の2.2倍(g/kg)も取ったらムキムキになってしまうと思った人はトータルカロリーを制限していることを思い出してください。トータルベースではエネルギー不足ですから、いくらたんぱく質を取っても、ムキムキになるとか、体が大きくなるということはありません。少しでも筋肉の減少を抑えるように、トータルカロリーの枠内でたんぱく質を多めに摂取するのが重要です。

次に脂肪摂取量を決める


脂肪摂取の基本的考え方は下記関連記事を参考にしてください。

関連記事

ダイエットのための栄養摂取3:脂肪

現実的に考えて、脂肪の摂取が足りなくなるということはないので、上限を決めます。可能ならトータルカロリーの15%、できれば多くとも20%程度に抑えましょう。

外食せざるを得ない生活の人は現実的にこの目標を設定することが大事です。体重の減少を確保する以上、トータルカロリーの設定を守ることが一番重要ですから、無理な目標を設定して、守れない結果トータルカロリーがオーバーするのだけは避けなくてはなりません。

“If you fail to plan, you plan to fail.” これは重要です。

外食が避けられない人は脂肪を減らすのは大変です。意気込んで無理な計画を立てないようにしましょう。

なお3食自炊をしていてとことん減らせるという人は、それでもかまいません。しかし、十分なコントロールができる人は、オリーブオイル、フィッシュオイル、ナッツ類などから良質な脂肪(不飽和脂肪酸)を摂取することで、トータルカロリーの15%ほどは脂肪から取りましょう。良質な脂肪のみとれる人は20%くらいとっても問題ありません。

最後に炭水化物摂取量を決める


これは引き算で出します。設定したトータルカロリーから必要たんぱく質量と目標最大脂肪摂取量を引いて、炭水化物量を決定します。

なお、下記関連記事で説明したように、設定したカロリーの中で炭水化物はしっかりと摂取する必要があります。「炭水化物は太る」からとできる限り減らすなんて言うのは、サバイバルモード(飢餓モード)まっしぐらです。

関連記事

ダイエットのための栄養摂取4:炭水化物

結論


各栄養の摂取量を決めるに当たっては、たんぱく質、脂肪、炭水化物の順番で決めます。たんぱく質は体重の2.2倍を取るようにして、脂肪はトータルカロリーの15%から20%に何とか抑えましょう。そして炭水化物は引き算で決めます。なぜなら、トータルカロリーが一番重要だからです。あれこれやって体重が減らなかったという事態だけは避ける必要があります。

参考


1.著名コーチのクリス・アセートはその著書Everything You Need To Know About Fat Loss…(邦題『ダイエットは科学だ』体育とスポーツ出版社)やChampionship Bodybuilding(抜粋の日本語版『ボディビルハンドブック』体育とスポーツ出版社)の中で、必要たんぱく質量の計算方法として除脂肪体重(kg)の2.3倍(g)と説明しています。


たしかに、たんぱく質は筋肉の材料なのだから、体重の何倍という計算には問題があります。同じ体重でも体脂肪率が異なれば筋肉量は異なるはずで、必要なたんぱく質量も変わってくるはずです。したがって、除脂肪体重の倍数というこの考え方が正確です。

しかし、あくまで目安でありそこまで厳格に考える必要があるのかという思いと、Xfitのこの記事が説明するように、目標体重を指標にしたほうが簡便であり利点もあるとの考えから本文の考え方を紹介しました。

なお、クリス・アセートの日本語版では除脂肪体重の2倍(g/kg)となっていますが、原著では除脂肪体重の1倍(g/lb)としているので2.3倍が正しいと思います。基礎代謝についてもそうですが日本語版ではすべて1ポンド = 0.5キログラムで計算式が修正されています。

たんぱく質はいいのですが、基礎代謝についてLBMの20倍とするか23倍とするかは結構大きい気がします。クリス・アセートの基礎代謝計算方法は有名ですが、ネットではすべて日本語版にもとづいて20倍と紹介されており、注意が必要です。生活強度かけたら最終的におにぎり1個くらい変わってくるはず(ダイエッターにとっては大きいと思います)。

2.たんぱく質摂取に関しては、筋トレしている場合でも体重の2倍は不要という意見も多いです。根拠となる実験データと共に説明している文献としては元カナダ代表のランナーで博士号を保有しているアレックス・ハッチンソンの著者『良いトレーニング、無駄なトレーニング』草思社(原題WHICH COMES FIRST CARDIO OR WEIGHT? )があります(この話題に関するこの本の最終的な結論はめちゃくちゃですが)。

しかし、かなり主観的な意見ですが、たんぱく質摂取量は体重の1倍程度で十分と主張している専門家の中に、ウェイトトレーニングの実践者はいないような気がするので個人的には気にしていない。ボディビルダーをはじめとする筋トレ上級者でたんぱく質を体重の2倍以下で十分と言っている人を私は知りません。

専門家では、Jim Stoppaniはその著書Jim Stoppani’s ENCYCLOPEDIA OF MUSCLE & STRENGTHの中で、詳細な実験データを挙げながら体重の2倍以上(g/kg)のたんぱく質量が必要なことを説明しています。

Michael Matthewsはベストセラー”BIGGEER LEANER STRONGER” (男性向け)や”THINNER LEANER STRONGER”(女性向け)の中で体重の2.8倍(g/kg)が必要といっています。

また、肉体改造プログラムとして代表的なJamie Eason のLivefit TrainerやLee LabradaのLean Body Trainerではともに目標体重の2.2倍で設定しています。
以上から、目標体重の2.2倍という数字を採用しました。

3.また、本文中にも書きましたが、ダイエット中はトータルカロリー自体を制限しているはずなので、たんぱく質をたくさん摂取しても、炭水化物摂取量を大幅に減らすほどたんぱく質摂取を増やさない限り問題にはなりません。ムキムキになることもあり得ません。

なお、たんぱく質の取り過ぎが気になる人は、下記の記事を参照。この記事で、たんぱく質の取り過ぎは腎臓に悪いといった論点は終了だと思う。
http://www.mainichi-daizu.com/room3/vol12/

4.また、脂肪摂取量については目安の数字を出している文献もありますが、実際にはいかに減らすのかが最重要課題になると思われるので、クリス・アセートの上記著書に従い、トータルカロリーの15%程度の抑えるという考え方を採用しました。

なお、上記のLee LabradaのLean Body Programのようにたんぱく質を目標体重の2.2倍、炭水化物を3.3倍、脂肪はできる限り減らすというスタイルにしてカロリー計算をしない方法も、最終目標から体重減少をとって、体脂肪率の低いカッコいい体を目指すというのではあればありだと思います。もっとも、この方法では脂肪を燃やしながら筋肉を増やすことを狙うので、女性は目標とする体がJamie Easonような体かどうかによります。

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
image31


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

TOPへ