初心者の筋トレエクササイズ選択2:基本種目を徹底すべき


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今回のテーマ


ダイエット&ボディメイクのために筋トレを行う場合、どの種目を選べばよいのかと悩むことも多いと思います。今回は、エクササイズ選択に当たり頭に入れておかなくてはならない基本的な考え方を説明したいと思います。

なお、今回の話は筋トレの目的が、ダイエットかムキムキになるかというのに関係ない、筋トレすべてに通じる基本の話です。特に女性初心者に理解してほしいポイントです。

無意識に生じる筋トレの誤解


筋トレの話をする時によく、“筋肉に刺激を与える”という表現を使うことがあります。また、“これは肩のトレーニング”、“これは胸のトレーニング”といった表現をすることもあります。

これらの表現は、みんな使いますし、別に間違いではありません。間違いだと言う気もありません。そして、日常的に使う分には何の問題もありません。

しかし、こういった表現をたくさん使っていると、ある問題が生まれてしまいます。それは、いつの間にか人間の体を解剖学的に考えてしまうという点です。

確かに、人間の体はバラバラに分解することができます。そして、一つ一つの骨や筋肉には、非常に細かいものにさえ名前があり、一つ一つにその役割があります。

しかし、人間は細かい骨や筋肉の寄せ集めなのでしょうか。また、そういう考え方は、体というものの正しい捉え方なのでしょうか。

体は一つのシステム


骨や筋肉を実験室の中で人工的に合成することはまだ無理ですが、骨のような硬いものと筋肉のような伸び縮みするパーツを作ることは現在の材料科学では簡単です。

では、それらを組み合わせれば人間の動きを再現できるのでしょうか。

その答えはホンダの二足歩行ロボットのASHIMOを見たことがある人ならわかるはずです。あれは賞賛すべきすさまじい努力とアイデアの結晶ではありますが、できることといえばやっと走れるくらいです。なんで現代科学の粋を結集しても何とか走れるくらいのものしか作れないのでしょうか。

それは結局神経を再現できないからです。人間の体をパーツパーツに分解することはできても、各パーツの動きをコントロールしている神経を再現することができないのです。

体を分解して、筋肉に名前を付けて、その機能を特定することはできても、実際には歩く、座る、押す、引くといった基本的な動きでさえ無数の筋肉が関与しており、それを神経系がコントロールしているわけです。

この人体の神秘ともいえる複雑な神経を再現できないから、現代科学の粋を結集しても、やっと歩けるくらいのロボットしか作れないわけです。

筋トレの効果を決めるのは


筋トレ目的は筋肉に刺激を与えることですが、厳密にいうと筋肉の成長を促すきっかけとなる刺激を与えることです。さらに、もっと厳密に言うと、筋肉の成長を促すとは、筋肉を成長させる指令を脳から出させることです。脳からの指令を受けて体は成長モードになります。

そして、脳と筋肉を繋げているのは神経です。ですから、筋トレにより筋肉を刺激しているのではなく、神経を刺激しているというのが正確です。逆にいうと、脳から、筋肉を成長させろという命令を出させるには、神経を刺激しないといけないのです。


したがって、どんな筋トレをやればよいのかという疑問に対する答えは、神経系を刺激するエクササイズを選択すべきというのが正解です。

基本エクササイズが一番効果的


我々は全員自分固有の神経系を持っています。より正確にいうと、我々の持っている神経系は自分のためにカスタマイズされ最適化されています。

人によって、手や足の長さは違いますし、各部位の筋力も違います。したがって、歩く、引く、押すといった基本動作ですら、人ごとにどの筋肉をどのくらいの割合でどの方向に動かすかは異なり、それにより神経系の発達も異なります。

したがって、神経系を刺激するには、その人の固有の神経に沿った動きをするのが一番であり、結局のところ、押す、引く、持ち上げるといった基本的な動きをするのが一番いいのです。

体をバラバラに分解して、ベンチに座ってリラックスしながら、これはなんとか筋という肩のインナーマッスルのエクサイサイズ、これは脚の太ももの裏側のなんとか筋のエクサイサイズなどと、バラバラに鍛えていくのは一見科学的に見えますが、神経系への刺激という点からは効率的ではありません。日常生活にはそのような細かい動きは多くないからです。本来の動きにない動作をやったところで神経系への刺激は小さく、体は成長モードへとはなりません。

筋トレ界の世界的リーダーの一人、Mark Rippetoeはその代表作であり、世界的ベストセラーのStarting Strength Basic Barbell Training 3rd editionの中で、以下のように述べています。

“The human body functions as a complete system – it works that way, and it likes to be trained that way.”

(個人的訳)
人間の体は一つのシステムとして機能する。だから、そのようにトレーニングしたほうが良い。

もちろん、ボディビルダーのように全ての筋肉をくまなく鍛える必要があるのでしたら、そこは自分の遺伝的素質との戦いですから、筋肉を一つ一つ取り出して徹底的に鍛える必要があります。

しかし、代謝を活性化したダイエッターや、体を大きくしたい筋トレ初心者は、徹底的に基本種目をやりこんで、自分固有の神経系を刺激し、体という一つのシステムを成長モードにもっていく必要があります。

結論


体は一つのシステムであり、それを統括しているのが神経系。そして、筋トレの本当のターゲットは神経系であり、それは一人一人に固有のものです。

ダイエッターであれ、ムキムキになりたい人であれ、初心者の目的は運動不足で眠っている体を叩き起こすこと。したがって、自分の神経系を効率的に刺激すべく、押す、引く、持ち上げるといった日常生活にあるような自然な動きに近い基本種目を行って、体という一つのシステムを活性化させましょう。

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
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