食事抜きダイエットの問題点と食事回数の重要性


はじめに


今回は食事抜きダイエットがなぜ良くないのかを解説します。

ダイエットしたいにせよ、体を大きくしたいにせよ、少量多食が基本です。スモールミールこそが肉体改造における食事管理の最大のポイントです。

そう考えると、食事抜きダイエットはスモールミールの逆であり、よくないダイエット法ということになります。

もっとも、なんとなく良くなさそうだというのは感覚的にわかっても、なぜ良くないのかきっちり説明できない人も多いみたいなので、解説してみます。

この話は、体を大きくしたい人も理解する必要がある話です。

食事回数と代謝

カロリー計算の必要性


体重変動は物理の法則に支配されています。食べたものはエネルギーとして消費されない限り消えてなくなるわけはなく、また、エネルギーとして消費されれば必ずなくなります。

車で言うと、走らなければガソリンは減りませんし、ガソリンが減ったということは必ず走ったということです。ここで、ガソリンはエンジンに送られ、点火されて爆発することでエンジンのピストンを動かし車は動きます(排気ガスしか残りません)。ですから、車が走るとガソリンがなくなるというのはわかりやすいものです。

この点、人間の場合はわかりにくいですが、結論としては全く同じことが起きており、燃料を燃やして体を動かしています。火や爆発が見えないだけです。そして、車で言うガソリンに当たるものが食べ物であり、その単位がカロリーです。

ガソリンの単位はリットルですが、「もともと10Lあって100kmしか走っていないから5L残っているはず」という言い方は、車ごとに燃費は違うことを考えると、あまり良い表現ではありません。自分しかわかりません。その場合、「ガソリンは20km分あって10kmしか走っていないから10km分残っているはず」といったように単位を統一すると分かりやすくなります。

特に、人間の体は、炭水化物、タンパク質、脂肪という3つの燃料を利用できます。車で言うと、ディーゼル、ハイオク、レギュラーの3つをごちゃ混ぜにしてタンクに入れて走る車のようなものです。

その場合、ディーゼル4L、ハイオク9L、レギュラー7Lの合計20Lと言ってしまうと、1Lあたり走る距離は種類ごとに違いますから、わけが分からなくなります。そこで最初から、ディーゼル何km分、ハイオク何km分、レギュラー何km分と最終的な目的(走る距離)に単位を統一しておくと便利なわけです。

そういったわけで、炭水化物何g、たんぱく質何g、脂肪何gではなく、最終的な人間の活動の単位であるカロリーという統一単位で話をするようになります。

話はそれましたが、体重変動は摂取カロリーと消費カロリーの引き算の結果できまります。これはエネルギー保存の法則という物理の大原則ですから、例外はありません。これが当てはまらない特殊な体質の人もいません。図にすると下記のようになるはずです。

カロリー収支

食事により食べた分だけ体重は増え、エネルギーとして消費された分だけ体重は減ります。食事で体重は増え、食事していない時に食べたものを使って活動して体重は減ります。一日はそれの繰り返しです。

したがって、体重を減らしたければ絶対に摂取カロリー<消費カロリーにもっていく必要があります。食事制限で摂取カロリーを減らそうが、運動で消費カロリーを増やそうが、摂取カロリー<消費カロリーにもっていけば必ず体重は減ります。その一方でどれだけ断食しようがどれだけ運動しようがもし摂取カロリー>消費カロリーであれば体重は増えます。

なお、水分量の話は割愛していますので興味がある人は下記関連記事を参照ください。

関連記事
ダイエット停滞期の原因と対策3:水分量の話

また、体重変動はカロリー収支のみで決まりますから、炭水化物をどれだけ食べたか等は全く関係ありません。摂取カロリーを炭水化物、タンパク質、脂肪のどれから取るかは体重の増減とは一切関係ありません。インスリンの話も関係ありません。

それらはすべて体脂肪率に影響する話であり、体重増減のみ着目したときは、どれだけ炭水化物を減らそうが、野菜から先に食べてどれだけインスリンレベルを低く保とうが、摂取カロリー>消費カロリーであれば体重は増えます。

逆に、摂取カロリー<消費カロリーであれば、どれだけ炭水化物を食べても、どれだけインスリンを急上昇させても、体重は減ります。

これは物理の法則ですから、これに反する体質の人はいませんし、これと反する理論は全て間違っています。

したがって、「炭水化物は太る」、「プロテインは太る」、「インスリンレベルを低くして痩せる」といった言葉に耳を傾ける必要はありません。カロリー収支が全てです。

それと同じで「食事抜きダイエットはかえって太る」というのも意味不明な見解です。食事を抜いて摂取カロリーを減らせばどう考えても痩せるはずです。

では一体何が問題なのでしょうか。

食事抜きダイエットの問題点


食事抜きダイエットは良くないと言われることが多いのですが、感覚的に考えれば食事を抜けば痩せるはずで、なぜ良くないのかは分かりにくいです。

食事抜きダイエットに否定的な人たちの中には、「食事を抜くと、残りの食事でかえってたくさん食べてしまうことが最近の研究で明らかになっており、結局太ることになる」といった意味の分からないことを真顔で言う人たちもたくさんいます。

しかし、減らした分以上に残りで食べてしまえば太るのは当たり前で、そうしなければ良いだけと考え、普通の人はこういった発言を無視します。また、不健康だという指摘は百も承知で、一生続けるわけではないし、この豊かな日本で2食しっかり食べた時に栄養失調になるとは到底思えませんから、結局やってしまうダイエット法です。

結論からいうと食事抜きダイエットは痩せます。消費カロリー>摂取カロリーにさえなっていれば間違いなく痩せます。しかし、効率が悪い方法だというのが科学的な結論です。

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その理由が以下の絵です。

食事抜きダイエット

基礎代謝が何kcalと計算したところでそれは理論値でしかなく、体の代謝活動は1分1秒起きており、また、変動しています。そして、空腹というのはエネルギーが足りないという合図であり、エネルギー不足に対応して体は低燃費運転をはじめます。

体のどこかに低燃費スイッチというものがあって、それをオンにすると消費カロリーが200kcal下がるといった便利なものではありません。低燃費運転は徐々に進行するプロセスなので、空腹が長引けば長引くほど代謝は遅くなると考えて良いです(もちろんゼロになるわけではなくどこかで止まります)。

もし消費カロリーが1500kcalのところ、1食抜いて摂取カロリーを1300kcalにすれば、200kcal分だけ体重は減るはずです。これが瞬間を捉えたスナップショットです。しかし、食事回数を減らすことで低燃費運転が始まり消費カロリーが落ちて1500kcalから1450kcalになってしまうとしたら、150kcalしか減らないことになります。

つまり、食事抜きダイエットは、空腹時間を増やしてしまうので、結果としてそれ自体が摂取カロリーだけでなく消費カロリーまで減らすことになってしまうので、効率の悪いダイエットなのです。摂取カロリーを200kcal減らしたのであれば、そのまま200kcalだけカロリー不足になるようなダイエットが効率的です。

では、食事を抜かずに1日3食が一番効率が良いのかというとそうではありません。下記の絵を見てください。

空腹と代謝

活発な代謝を保つには、空腹時間を減らすのが一番ですから、食事回数を増やすのが一番効率的なダイエットとなります。

ある人が摂取カロリーと消費カロリーが共に1500kcalであったとします。その人がダイエットを始め、摂取カロリーを200kcal減らしたとすると、理論上は200kcalだけカロリー不足になり、体を分解して足りない分を補うはずですから200kcalだけ体重は減るはずです。

しかし、実際には、カロリー不足になると代謝は間違いなく遅くなりますから、摂取カロリーの減少に伴って消費カロリー自体も下がるという都合の悪いことが起きます。そして、摂取カロリーの減少に伴って食事回数を減らすというのは、その消費カロリーの減少を加速させるという点で効率の悪いダイエットなのです。

ここら辺はダイエットの停滞期の原因とも直結する話なので、興味ある方は下記関連記事を参照してください。

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ダイエット停滞期の原因と対策1:体重減少が止まる理由

したがって、できる限り消費カロリーを高く保つために有効なのは、食事抜きの逆で、制限した摂取カロリーを分割して回数を増やして摂取することです。

スモールミール

このように、摂取カロリーを減らしたときは、こまめに食べて体をだまして、代謝をできる限り高く保つのが重要です。

もちろん、食事回数を増やした分、一回当たりの食事量は減らさなくてはいけません。あくまで、1日の消費カロリー以下の摂取カロリーを何回に分けて取るのが良いかという話です。

以上が、食事抜きダイエットの問題点です。

ダイエット方法の優劣というのは、同じカロリー不足の状況で、どれだけ代謝を活発に保ち消費カロリーを高く維持するかで決まると言っても過言ではありませんから、その点からすると食事抜きダイエットは良い方法とは言えません。もっとも、痩せるか痩せないかと言えば痩せます。

なお、プロテイン置き換えダイエットも、せっかく手元に置き換え用のプロテイン等があるのですから、置き換えて1日3食を維持するのではなく、1食あたりの量を減らして、1日5食から6食を実現するツールとして使ったほうが効果は高いです。

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脂肪燃焼のための食事戦略3:食事回数

終わりに


今回は、食事抜きダイエットに注目してダイエットのポイントを解説してみました。

少量多食(スモールミール)というのは、海外のダイエットや肉体改造の本や情報サイトを読むと必ず出てくるのになぜか日本では紹介されることがほとんどない不思議なものです。しかし、科学的に考えてみると間違いなく有効なものだと思います。

食事抜きダイエットはあまり効率的なダイエット方法とは言えず、勧められるものではありませんが、巷にあふれているインチキダイエット方法より有効で確実なのは間違いありません。

特に、軽いダンベルを使った筋トレダイエットなどよりは間違いなく有効です。重いものを持たない筋トレなど筋トレではなく、代謝が活性することもなければ脂肪が燃えることもなく、同じ時間散歩しているほうが遥かに有効ですから、軽いウェイトで筋トレするくらいなら、1食抜いたほうが有効です。

また、食事抜きダイエットはリバウンドしやすいから運動した方が良いという意見もでたらめで、重いものをもって筋トレしない限り、食事抜きも運動もリバウンドという観点からは全く同じです。

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