はじめに
今回のテーマはたんぱく質摂取についてです。たんぱく質は、ムキムキになりたい人にとっては重要でも、ダイエッターにはあまり重要でないと考えられがちですが、そんなことはありません。
少なくとも美しく痩せようと、筋トレをしながらダイエットをするのであれば、たんぱく質はしっかりとる必要があります。
なおプロテインについては別の記事(プロテインをゼロから理解する:ダイエット&筋トレの超基本)にまとめたのでご参考ください。
たんぱく質とは何か
たんぱく質というのは20種類(厳密には限定されませんが)のアミノ酸がつながったものです。
どのアミノ酸がどういう順番でつながったりするのかで、髪の毛になったり、皮膚になったり、内臓になったり、筋肉なったりします。そのアミノ酸の種類と順番が書いてある物質をDNAといいます。ですから、DNAによって金髪になったり黒髪になったりします。
また、たんぱく質は英語にするとプロテインです。さすがにもういないと思いますが、プロテインという商品は薬ではなく、たんぱく質の粉です。筋肉が増える効果なんてないし、飲みすぎると体に悪いということもありません。ホエイプロテインというのは、簡単に言うと牛乳(高たんぱく高脂肪)からチーズ(脂肪の塊)を作るときに不用品として取り除かれるたんぱく質を粉にしたものです。
筋肉はたんぱく質からできており、代謝により筋肉を維持するうえでも、筋肉を成長させるうえでも、材料となるたんぱく質(が分解したアミノ酸)が必要です。
なお、筋トレすると脂肪が筋肉なるとか、運動しないと筋肉が脂肪になると思っている人がいますが、3大栄養素に互換性はありません。脂肪が筋肉になったり、筋肉が脂肪になったりすることはありません。
つまり、たんぱく質が必要であればたんぱく質(もしくはアミノ酸)を摂取する以外に方法はありません。
たんぱく質摂取の重要性
筋肉を増やしてムキムキになりたい人だけでなく、筋肉をできる限り維持してリバウンドしにくい体を作りたいと考えているダイエッターであれば、必要量のタンパク質を摂取しなくてはいけません。
摂取しないと、ウェイトトレーニングが無意味となってしまいます。
トレーニングで筋肉を損傷し、体に「筋肉が必要だ」というメッセージを送り、トレーニング後に体が回復成長モードになったけど、筋肉の回復成長に必要なタンパク質が足りないのでは話になりません。
ダイエット中というのは摂取カロリー自体が不足していますから、体は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを補います。しかし、減らしたいのは脂肪であり、できる限り筋肉を維持したいので、筋トレを行い、体に筋肉が必要だというメッセージを送り、少しでも分解される筋肉を取り戻そうとするわけです。
しかし、体にいくら「筋肉が必要だ」というメッセージを送っても、材料がなければどうしようもありません。筋肉は分解される一方です。
取り過ぎは注意
もっとも、どんなにハードに筋トレをしようと、たんぱく質を取れば取るほどそれが筋肉になるという便利な仕組みはありません。ボディビル大会は肉の大食いコンテストではありません。
トレーニング後に筋肉の回復成長指令が脳から出され、それを実行するために必要な量のたんぱく質を取る必要があるだけで、それを超えて摂取したたんぱく質は脂肪になるだけです。
よく、「プロテインは飲みすぎると太る」と言われることがあります。これはプロテインが太りやすい食べ物だと言っているわけではなく、たくさん飲んだところで、体が必要としている量を超える分は脂肪になるだけだと言っているわけです。プロテインが太りやすい食べ物であるとかそういうことではありません。
結局、たんぱく質もトータルカロリーと同じで必要量を摂取する必要がありますが、取り過ぎないように注意する必要があります。
もっとも、取り過ぎ腎臓に悪いという噂はについては以下のリンクを参照してください。腎臓に疾患がない限り取り過ぎによる健康上の心配はないようです。脂肪になるというだけです。
http://www.mainichi-daizu.com/room3/vol12/
その他注意点
また、前回の記事(ダイエットのための栄養摂取1:トータルカロリー)に書いたトータルカロリーが最重要という点は大事です。
「体重1kgあたり何gのたんぱく質が必要」という情報も多いですが、「トータルカロリーの何%をたんぱく質から摂取する必要がある」といったことを言う著名人もいます。
痩せたいけど、筋トレをする以上体重の2倍のたんぱく質は欠かせないといって、肉をたくさん食べた結果脂肪を取り過ぎてオーバーカロリーになったのであれば、体重は増えてしまいます。
あくまで、ダイエット目的を達成するためのトータルカロリー内でたんぱく質摂取量を決める必要があります。
まとめ
たんぱく質の適切な摂取はダイエットにおいて体重を減らすだけでなく、締まったスリムな体を目指すうえでカギとなるものです。
その重要性をしっかりと理解する必要がありますが、必要量のたんぱく質摂取もあくまで目標カロリーの範囲内で行われなければ、ダイエットによる体重減少という大前提自体が揺らぎかねないことを理解する必要があります。