プロテインだけを水に溶かして摂取すべきタイミングなどあるのか


はじめに


今回はプロテインと炭水化物の同時摂取について考えてみます。

なお、そもそもプロテインとは何かについては下記関連記事を参照ください。

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プロテインについてある程度知識がついてくると、栄養摂取というもの自体への理解が深まってきて、自然に炭水化物摂取の重要性が分かってきます。

“プロテインを牛乳で飲むのは素人で、プロテインは水で溶かして飲むもの”とネット上で発言する人々の気持ちは自分の経験に照らし合わせながら理解しつつも、そもそも、プロテインを水で溶かしてたんぱく質だけ摂取するのが適切なタイミングなどあるのか、原則として炭水化物と同時に摂取するのが正しいのではないかという疑問にいずれたどり着くのではないかと思います。

そこで、たんぱく質と炭水化物の同時摂取について考えてみたいと思います。

なお、話としてはたんぱく質と炭水化物の同時摂取の話なのですが、通常の食事においてバランスが大事という話をしても仕方がないので、プロテインを飲むタイミングにおいて炭水化物も同時に摂取するべきではないのかという点に話を限定します。

また、炭水化物の種類については特段コメントしませんが、トレーニング直後以外単糖類は避け、複合炭水化物を摂取するのが正しいと思います。

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炭水化物同時摂取の必要性


たんぱく質と炭水化物の同時摂取の必要性を考えるには、筋肉合成の仕組みを考える必要があります。

ポイントは、筋トレ後に筋肉が回復成長する仕組みと、エネルギー不足の時に体が筋肉を分解してアミノ酸を作り、アミノ酸を肝臓に送ってグルコースにする筋肉分解の仕組みは全く別の仕組みという点です。

この二つの仕組みは、常に体の中で同時進行で起きていますから、結局のところ、筋肉の増加とは、筋肉合成量が筋肉分解量を上回ることを意味します。

筋肉引き算2

したがって、ムキムキを目指して筋肉を増やす場合も、締まった体を目指して筋肉減少量を最小限に抑える場合も、筋肉合成を最大化すると同時に筋肉分解を抑制することが重要となってきます。

筋肉2方向2

ここで、炭水化物の摂取というのは筋肉合成にはあまり関係ありませんが(わかっていないことも多いところなので関係ないとは言い切りません)、筋肉分解に大いに関係あります。

つまり、筋肉合成は、筋トレで筋肉を損傷した後の修復プロセスであり、筋肉の材料たるたんぱく質さえあれば起きるので(厳密には脂肪も必要)、炭水化物はあまり関係がありません。

しかし、筋肉の分解は第1エネルギー(炭水化物)が足りないから起こるのであり、炭水化物摂取が足りていて血糖値が十分に高ければ起こりません(厳密には全て同時進行で起きていて、程度の問題でありゼロか百の世界ではないので、分解がゼロになるわけではありません)。

筋肉分解と炭水化物2

また、筋肉はエネルギーにするために分解されます。血糖値が低い状況で、エネルギーを補うために筋肉を分解してアミノ酸にして肝臓に送りグルコースにします。

そういう観点からは、筋肉分解を抑えるには、炭水化物をこまめに補給して、アミノ酸からグルコースを作る状況を減らすとともに、仮にそうなったとしても筋肉を分解しなくても良いようにあらかじめプロテインなりアミノ酸で血中アミノ酸濃度をある程度高い状況にしておくのが良い方法です。

これが筋肉と炭水化物摂取の関係です。

以下、プロテイン摂取の典型的なタイミングごとに炭水化物同時摂取の必要性を考えていきます。

間食


間食というのは、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間、夕食後の夜食の3つを念頭に置いています。

間食としてプロテインを飲む理由の目的はまさに継続的なたんぱく質補給です。

筋トレ後の筋肉回復成長は継続プロセスである一方で、一度にたくさん摂取したところで筋肉が一度に処理できる量には限度がありますから(余った分は脂肪になるだけ)、1日を通じて少しずつこまめに摂取するのが良いわけです。分ければ分けるだけ効果が上がるなんて言うものではありませんが、一度の摂取量が多くなればなるだけ脂肪になるリスクは増えると考えて良いと思います。

したがって食事の間に間隔が空く場合にプロテインでたんぱく質を補給するのは筋肉合成の観点からは重要です。

しかし、間食のタイミングというのは基本的に、食事と食事の間であり、お腹がすくタイミング、つまり、血糖値が低い状況です。つまり、プロテインを摂取してもその一部が肝臓に送られてエネルギーにされてしまい、筋肉の材料にはならない可能性が高い状況です。

したがって、間食としてプロテインを摂取する場合には炭水化物を同時に摂取するのが理に適っています。同時に炭水化物を摂取することで初めてたんぱく質(アミノ酸)が筋肉に届けられる状況が実現されます。

また、ダイエットにおける代謝の活性化という観点からは、ダイエット中の制限されたカロリーをどれだけこまめに補給するかという点が重要ですから、やはりプロテインのみ摂取するのは合理的ではありません。

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時々、炭水化物は太るといって、極力とらないようにする人がいますが、それが間違いである点は、下記関連記事を参照してください。

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以上より、間食としてプロテインを飲むタイミングでは炭水化物の同時摂取が望ましいという結論になります。

トレーニング前


トレーニング前の栄養補給の目的は、トレーニング用のエネルギー補給とトレーニング中の筋肉分解を最小限に抑えることです。

トレーニングで必要とされるエネルギーを十分に摂取することではじめて充実したトレーニングを行うことができます。ある意味これが筋肉増加には一番重要です。そしてこの目的のために摂取すべきなのは炭水化物です。

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また、トレーニング中は筋グリコーゲンが消費されることにより、必然的に筋肉分解が進行します。これは、体の仕組み上避けられない事実ですから仕方がないのですが、筋肉を分解したエネルギーで筋トレするという本末転倒な事態はできる限り避けるべきですから、トレーニング前に炭水化物とたんぱく質を両方摂取しておくことで、血糖値とともに血中アミノ酸濃度を高めておき、2重のセーフティーネットで筋肉分解を抑制することは重要です。

そう考えると、バランスの取れたしっかりした食事をした後にトレーニングに臨むのが一番大事なことです。

しかし、社会人で会社帰りにジムによる場合など、十分な食事をとってからトレーニングを始めるわけではない場合も多いと思います。また、食事直後のトレーニングは快適ではなく、かといって仕事帰りに食事をとり1時間くらい空けてからトレーニングするという、理想的な状況の実現にこだわるのは非現実的です。

したがって、そういった場合には、サプリメントに頼るわけですが、そのタイミングで必要なのはまさに食事の代わりですから、たんぱく質だけでなく炭水化物も同時摂取するのが良いという結論なります。

以上より、トレーニング前にプロテインを飲む場合にも、炭水化物の同時摂取が望ましいという結論になります。

現実的にはトレーニング前のプロテイン摂取というのはなかなか難しいものがありますが(シェイカーをそんな何個も持ち歩かないと思うので)、空腹のエネルギー切れの状況でトレーニングを始める事態だけは避けた方がよいでしょう。

トレーニング後


トレーニング後の栄養補給については別の記事に書きましたので詳述はしませんが、トレーニング後の炭水化物補給は重要です。

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筋トレ後の炭水化物補給について:必要性、量、タイミング

筋トレしている人であれば、ムキムキを目指している人にせよ、ダイエッターにせよトレーニング後の炭水化物補給は不可欠です。

トレーニング直後に始まる筋肉合成のために材料たるタンパク質を摂取するのは重要ですが、その前提としてトレーニング直後に炭水化物を摂取することで体を回復モードに切り替えるとともに、トレーニング中に始まる筋肉分解を早急に止める必要があります。

以上より、トレーニング後にプロテインを飲む場合、炭水化物の同時摂取は必須です。


値段さえ気にしないのであれば、成分、味ともにトレーニング後のプロテインとしてはこれが最強(ただ高い)。

就寝前


就寝前にプロテインを飲む理由はわかりやすいです。就寝前にたんぱく質を摂取する必要があるのに、就寝直前に食事をするのは現実的でないからです。

もっとも、そもそも論として就寝前にたんぱく質を摂取する必要があるのはなぜでしょうか。

それは、就寝中というのは成長ホルモンが出て体が回復成長する時間帯であると同時に栄養補給が遮断された飢餓状態にあるからです。2つあります。

就寝前に筋肉の材料たるたんぱく質を補給して、筋肉の回復成長を促進するとともに、栄養補給が長時間遮断され筋肉の分解が加速するのも就寝中ですから、できる限り血中アミノ酸濃度を高くするのが筋肉分解を抑える点からも合理的です。

したがって、就寝前のたんぱく質補給には、筋肉合成を促進するという側面と共に、筋肉分解を抑えるという側面もあります。

そして、筋肉分解を抑えるという観点からは、炭水化物を摂取するのが合理的なはずです。では、就寝前に炭水化物を摂取する必要はあるのでしょうか。

これは、目的次第です。もし筋トレの目的が体を大きくすることであり、体脂肪率を気にしていないのであれば、炭水化物を摂取するのが理に適っています。

このことは、FLEX magazine が出しているボディビル入門書であるHUGEという雑誌にも、良くある誤解というセクションの最初に書かれています。“夜に食べるのは良くない”と盲目的に信じるのではなく、就寝中は飢餓状態にあるということを踏まえて就寝前には適切な栄養補給をする必要があり、増量目的で体脂肪の問題がないのであれば就寝前に炭水化物を取るべきと説明しています。

ダイエットが目的の人や、脂肪が付きやすい人は、就寝中は脂肪が燃焼する絶好のタイミングですから、たんぱく質を補給して筋肉の成長を促進するとともに筋肉分解を抑え込むのは良いとしても、炭水化物の摂取は控えた方が良いでしょう。脂肪燃焼という目的の前には、筋肉分解防止は後退せざるを得ないからです。

ここは、筋肉をつけるのが最優先で多少の脂肪増加は仕方がないと考えるか、脂肪燃焼が最優先で筋肉が減るのもやむを得ないと考えるか、の違いが一番出るところでしょう。

以上より、脂肪燃焼が優先する場合にはプロテインに合わせて炭水化物を摂取する必要はありませんが、筋肉増加を優先する時には炭水化物を同時摂取するのが合理的というのが結論となります。

起床直後


起床直後に栄養摂取をする必要があるのは就寝中の飢餓状態から少しでも早く抜け出すことです。

たんぱく質だけでなく炭水化物も摂取する必要があり、就寝中の飢餓状態で遅くなった代謝を元に戻すとともに、筋肉分解を止める必要があります。

したがって、起床直後は、朝食でバランスの良いしっかりとした食事をとるのが一番重要です。プロテインと共に炭水化物を取るといった話ではなく、充実した食事をとることが一番重要です。

もっとも、朝食で炭水化物は取れてもたんぱく質をしっかり取るのはなかなかハードルが高い反面、昼食までの間に間食を取るのも社会人には難しいですから、プロテインを利用して、朝一番にしっかりとたんぱく質を補給することは重要です。

以上より、起床直後においても、たんぱく質の不足分のみプロテインで補うといった状況でない限り、たんぱく質のみプロテインで補う状況というのは考えにくいです。

まとめ


プロテインを飲むタイミングをいくつか検討してみましたが、食事におけるたんぱく質不足分をプロテインで補うという状況を除いて、就寝前以外はたんぱく質と共に炭水化物を摂取するのが理に適っています。

また、就寝前においても筋肉増加が優先する状況では、炭水化物を同時摂取するのが合理的です。

いずれにせよ、体を大きくしたい人にとって空腹ほどの敵はないでしょう。

終わりに


ムキムキを目指して筋肉を増やすにしろ、締まった体を目指してダイエットしつつも筋肉をできる限り維持するにしろ、筋肉合成を促進するのと同じくらい、筋肉分解を抑制するのが大事です。

そして、筋肉分解を止めるために一番有効なのは炭水化物摂取です。

筋肉合成の促進と筋肉分解の抑制が、筋肉増加や筋肉維持の両輪であるとすれば、通常の食事でバランスの良い栄養摂取が求められるのと同様に、サプリメントを使った栄養補給においてもたんぱく質と炭水化物の同時摂取が合理的であるというのは、考えてみれば自然な結論かもしれません。

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
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