脂肪燃焼サプリを考える:カルニチンとフォルスコリン


はじめに


今回は、脂肪燃焼サプリについて解説します。

脂肪燃焼サプリは、Fat Burner (ファットバーナー)とも呼ばれるサプリメントで、いろんなメーカーがいろいろ出していますが、実際に成分表を見ると、含まれている物質についてはよくわからないものばかりです。

そこで、よくわからない物質の代表としてカルニチンとフォルスコリンを例に挙げて、脂肪燃焼サプリとは何なのかを考えてみたいと思います。

もっとも、追加的な脂肪燃焼よりも、日ごろの脂肪摂取を変えることが一番重要だったりします。

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なお、参考にしているのはマイケル・マシューズとクリス・アセートの下記の書籍です。

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Everything You Need To Know About Fat Loss…

脂肪燃焼物質はない


まず、前提として、脂肪燃焼サプリ、ファットバーナーなどと言ったところで、脂肪を直接的に燃焼(分解)する物質なんてものは存在しません。

消費カロリー>摂取カロリーとならなければ体重は減りませんし、消費カロリー>摂取カロリーになれば必ず体重は減少します。これはなぜかというと、エネルギー保存の法則という物理の大原則があるからです。

エネルギー保存の法則とは、無から何かが生まれたり、あったものが消えて無くなったりすることはないという法則です。エネルギーとして消費しない限り、食べたものが消えて無くなることはありません。

何を言いたいのかというと、ある物質を食べると脂肪が消えて無くなるということは起こらないということです。

脂肪が燃えるということは、筋肉を動かすエネルギーになる必要があります。

筋肉を動かすエネルギーとして利用されるからこそ、脂肪がなくなるのであって、逆にいうと、エネルギーとして利用される予定がないのに脂肪が分解されて無くなるということはありません。

何かを食べると、吸収され、血液に乗って脂肪に届いて、脂肪が分解される。そうだとしても、その分解された物質はどこに行くのでしょうか。それが老廃物として、体外に排出されるわけはありません。

結局、脂肪燃焼サプリといっても、飲むと一部の体脂肪が消えて無くなるようなサプリはありません。“ありません”というより“あり得ません”。

脂肪燃焼サプリとは何か


では、脂肪燃焼サプリなど全てでたらめで、そんなものは存在しないのかというとそうではありません。

そのサプリが、直接脂肪を燃焼させる(脂肪が消えてなくなる)というのであればでたらめですが、体内の脂肪燃焼プロセスを加速させるというのであれば、それはあり得ます。

具体的には3つの可能性があります。

タイプ1

1つ目は、脂肪が燃やされる原因である消費エネルギーを増やすサプリです。もちろん、運動量を増やさない限り消費エネルギーは増えないのが原則です。しかし、体を維持するための代謝活動自体もエネルギーを消費しますから、もし、その物質が代謝速度を向上させるというのであれば、消費エネルギーが増えますから、間接的に脂肪は燃えることになります。

もっとも、飲むだけで消費いカロリーが大幅に増えるといった、劇的な効果を持つ物質は考えにくいです。基本的に代謝速度は筋肉量と摂取カロリーが決めます。

このタイプの代表例は水です。水がサプリかどうかの議論はさておき、水は筋肉細胞に栄養素を運びこみ、老廃物を取り除く重要な物質です。したがって、代謝を高く保つためには、水を十分に摂取することが必要不可欠です。

水を飲めば飲むほど代謝が加速するというわけではありませんが、筋トレをしている場合、平均的な水の摂取量では不十分で、1日4リットルくらい必要と言われたりもします。

タイプ2

2つ目は、エネルギー生産の効率性を下げる方法です。つまり、脂肪1g(や炭水化物1g)からエネルギーを生み出すプロセスの効率性を下げるのです。そうすると、同じ消費カロリーに対して必要な脂肪燃焼量が増えるので、結果として脂肪燃焼が促進させることになります。

このタイプは、その効果さえ本当であれば間違いなく脂肪燃焼効果はありますが、原理的に、劇的な効果を与える物質は考えにくいと思います。

このタイプの代表例がフォルスコリンであり、後に詳述します。

タイプ3

3つ目は、脂肪燃焼プロセスに登場する物質を補うことです。体内で合成され、何らかのプロセスに登場する物質の場合、体内で合成されるから外部摂取は無意味かというと、そうではなくて、増やすとその分だけそのプロセス(ここでは脂肪燃焼)が加速するという物質があるかもしれません(プロセスは違えどクレアチンが良い例)。

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この3つ目のタイプは、効果があるのかないのか意見が分かれる必然にある物質と言えます。

クレアチンと異なり、外部からの摂取は、体内での合成に問題がある人以外は無意味という結論だってあり得る反面、実際の実験では、その人の体内で合成に問題があるかどうかなんて詳細な検討はできません(特に運動中)。また、運動の強度によるかもしれません。ハードな運動を一定時間継続していると途中から足りなくなって補う必要が生じるということもあるかもしれません。最終的には、人ごとに効果が違うと言わざるを得ない運命にあるものです。

このタイプの代表例がカルニチンであり、後に詳述します。

フォルスコリンについて


フォルスコリンは上記タイプ2に当たります。細胞内のエネルギー生産の効率性を妨げると言って良いかと思います(かなり微妙な言い方ですが)。

フォルスコリンは、ATPという物質をcAMPという物質に変換するプロセスを加速させる物質です。ATPというのは、アデノシン3リン酸という物質で、まさにエネルギー物質です。車で言うとガソリンです。

多くの場合、話を簡単にするために、炭水化物がガソリンに該当するかのように説明されますが、厳密には筋肉を動かすのはATPです。炭水化物も脂肪も、エネルギーになると言っても、実際にはATPを合成することに利用されるだけで、ATPこそがエネルギー物質です。

したがって、フォルスコリンはエネルギー源として作られたATPを違う物質に変換する物質(ガソリンを違う物質に変えてしまう物質)と言っても良いです。

ATPがたくさんある状態というのはエネルギーに満ちている状態ですが、逆にATPが減ると、その分、体はATPを生産しようとしますから、それだけ脂肪も燃えるというものです。

フォルスコリンのATPをcAMPに変換する機能は良く知られており疑う余地はありませんから、理論上、脂肪燃焼サプリメントであることは間違いありません。

そして、フォルスコリンについては、脂肪減少を加速し、テストステロン(男性ホルモン)レベルを上昇させたという論文があります。ピアレビュー論文(著者以外の同分野の研究者によるチェックを経て掲載されている論文)で、サプリメーカー等が勝手にやって公表した実験結果ではありません。

したがって、効果がないと反論するのは難しい物質で、理屈から考えても脂肪燃焼の効果があると考えられます。もちろん、飲めば飲むほど痩せるというような魔法の物質ではありません。

マイケル・マシューズは1日25mgから50mgの摂取で効果があるとしています。

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カルニチンについて


カルニチンというのは上記のタイプ3に該当する、脂肪燃焼プロセスに不可欠な物質で、ロイシンやメチオニンといったアミノ酸から体内で合成される物質です。体内で合成されるので基本的に摂取しなくても体内に存在します。

カルニチンは、筋肉が炭水化物ではなく脂肪を燃料とするプロセスに登場します。具体的には、脂肪が分解されて脂肪酸とグリセロールという2つの物質ができますが、カルニチンが血中の脂肪酸を筋肉に運び、その結果、筋肉が脂肪酸をエネルギーとして利用します。

体内にカルニチンが不足している人の場合、エクササイズ前にカルニチンを摂取することが脂肪燃焼を加速させることは理屈上間違いありません。血中の脂肪酸が減らない限り追加の脂肪分解は起きないからです。

しかし、カルニチンは体内で合成される物質です。ここで見解が分かれます。そして、実験結果もわかれているようです。

マイケル・マシューズは、高齢者が摂取した場合に脂肪燃焼に効果があったが、太り気味の高齢でない女性に対しては効果が見られなかったという論文を引用して、病気等で脂肪燃焼プロセスに問題ない限り(要はカルニチン合成機能に問題がない限り)、カルニチンのサプリメントによる追加摂取は脂肪燃焼増加に効果がないだろうと述べています。

一方、クリス・アセートは、その効果に議論があることは認めつつも、ダイエット中で脂肪が分解され、血中に脂肪酸が放出されているような状態では、脂肪酸を筋肉に運び込むには大量のカルニチンが必要になるのだから、“効果があると思います”と述べています。そして、運動前に1g程度摂取することを推奨しています。

議論としてはBCAAに似ているような気がします。

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終わりに


今回は、カルニチンとフォルスコリンという、怪しい感じの脂肪燃焼サプリについて書いてみました。

脂肪燃焼サプリやダイエットサプリは、ブームになり過ぎてアメリカの国立機関が直々に効果を否定することになったアサイーのようなものもあれば(美容効果のあるスーパーフルーツという別の称号で生き延びていますが)、フォルスコリンのようにいかにも怪しそうでも実際に効果が証明されているものがあったりします。また、カルニチンのように、効果があるのかないのか意見が割れるのも仕方がないようなサプリもあります。

もっとも、サプリメント科学の世界では30%効果という言葉があります。どんなサプリの実験でも、被験者のうち30%くらい、何の反応も示さない人たちがいるというものです。そして、その理由はわかりません。現代科学の水準なんてそんなものです。人間の体の仕組みを100としたら、1もわかっていないのが現状です。

したがって、自分に効果があると思ったら使えばよくて、効果がないと思ったら使うべきではないというのが正解です。

お金の余裕に合わせて楽しむのが大事です。

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