ダイエットのための栄養摂取4:炭水化物


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はじめに


今回のテーマは3大栄養素の中で一番厄介な炭水化物摂取です。

ある意味、今回の記事はダイエットの関所に触れています。ダイエットに失敗する人が一番わかっていないポイントであり、理解するのも一番難しいポイントかと思います。

特にサバイバルモード(飢餓モードともいう)についてはしっかり理解する必要があります。このモードになったら抜け出すのは大変です。

炭水化物は太る?


まず、炭水化物はきっちりと摂取しないといけません。

ダイエット業界ほどインチキが平然とまかり通っている業界もないと思いますが、その中でも一番罪が重いのは「炭水化物は太る」というキャッチコピーでしょう。太る一番の原因はカロリーの取り過ぎであり、そのカロリーを何から取るかなんて関係ありません。

消費カロリー1000kcalの人が1500kcal摂取して(炭水化物から500kcal、たんぱく質から500kcal、脂肪から500kcalとする) 、その結果500kcal分太ったとして、その原因は何かと考えたところで、オーバーカロリーだから太ったわけで、その内訳に目を向けるほどナンセンスなことはありません。

大事なことは、炭水化物摂取をできる限り減らすとかではなく、ダイエットを目的としてカロリー制限をしている中で、炭水化物をどれだけ摂取するかです。

体重変動の原則の確認


まず、カロリー制限して、消費カロリー>摂取カロリーにもっていけば絶対に痩せます。これだけは再確認してください。カロリー不足であれば絶対に体重は減ります。これはエネルギー保存法則という物理の大原則ですから、例外はありません。私はそうならなかったという人は、特殊な体質なのではなく計算が間違っているだけです。

だから、何はともあれトータルカロリーの設定が最重要です。ここで間違えれば、何をやっても無駄になります。その一方で、摂取カロリーをカロリーをその範囲に抑えている限り絶対に体重は減るので、そのカロリーの中で「炭水化物は太るから」と考えて炭水化物摂取量を減らすのだけは絶対にやってはいけません。

ではなぜ、炭水化物を減らしてはいけないのでしょうか。

それは、カロリー不足の下でできる限り脂肪を燃やしたいからです。この理屈が難しいのです。以下詳細に考えていきます。

脂肪燃焼メカニズム


“有酸素運動で脂肪を燃やす”といった言い方をすることがありますが、生理学的には脂肪を燃やすのは運動ではなく筋肉です。筋肉が動くからエネルギーが消費されるのです。この脂肪燃焼エンジンたる筋肉のメイン燃料は炭水化物です。燃料がなければ脂肪は燃えません。

もちろんメイン燃料が足りないから予備燃料の脂肪は燃えるわけですし、その結果として体重も減るわけです。しかしメイン燃料がなければエンジンは効率的に動かず脂肪は燃えません。ここが一番難しいポイントです。

確かに私はよくわからないことを言っているように見えます。基本的に筋肉は炭水化物を燃料として動きます。そして足りない分は脂肪を燃やして燃料とします。にもかかわらず、より脂肪を燃やすために、炭水化物を取る必要があると言っているわけです。

それは、脂肪を大量に燃やす状態は、糖質制限状態にもっていかない限り体にとっては異常事態でしかないからです。体はエネルギーが不足すればするほど脂肪を多く燃やすといったダイエットに都合のよい仕組みにはなっていません。

異常事態に何が起きるのか。そう、サバイバルモードです。飢餓モードといったりもします。

サバイバルモード


エネルギー不足で、大量の脂肪を燃やして補っている状況が続いたとき、このまま行くと燃費の悪い筋肉質な体になってしまうことを体は本能的に知っています。したがって、体がその状況でとる行動は、代謝を遅くし、筋肉を分解して基礎代謝を下げ、何もしていない時の消費エネルギーを減らすことなのです。この状態をサバイバルモードといいます。


サバイバルモードになると、減らされた摂取カロリーに合わせて消費カロリーが下がり、カロリー不足の状態が解消されるという、人体の神秘ともいうべき、学者にとっては非常に興味深く、ダイエッターにとっては最悪の事態となります。

これはまさに人類の進化の話です。ダイエッターからすればどこが“進化”だと思うかもしれませんが、進化とは適応であり、歴史の選択の結果です。人類の長い歴史の中で、十分な食料に恵まれている社会が出てきたのはここ百年くらいであり、現代でも全地域がそんな恵まれた状況にあるわけではないことはご存知なはずです。

サルから始まって何千年(何万年?)、いつ食べ物に出会えるかわからず飢餓と闘い続けた人類の歴史において、生き残ったのは、食糧不足の時には代謝を下げて低燃費になって新しい食料が見つかるまで何とか切り抜ける人たちだったわけです。

そういう意味では、私たちの先祖は全員そういった食料不足の歴史を切り抜けてきた人たちですから、私たちは誰もが遺伝的な素質としてサバイバルモードのスイッチを持っているといっても過言ではありません。

炭水化物があるから脂肪が燃える


したがって、脂肪を効率よく燃やすには、「エネルギーがちょっと足りないな、予備エネルギーの脂肪を燃やして補おう」というモードでないといけません。体が「やばい、エネルギーが全然足りない!緊急事態だ、何とかしないと!」と思ってしまったら終幕です。サバイバルモードがスイッチオンになり、消費カロリー自体が下がってカロリー不足が解消されるとともに、さらに消費エネルギーを下げるために筋肉の分解が加速します。その結果、制限したはずの食事でさえカロリーオーバーとなり太ることになります。

ですから、筋肉をできる限り維持しつつ脂肪を燃やすことで、“締まったスリムな体になる”とか、“リバウンドしにくい体になる”といった目標を持っている限り、筋肉の燃料たる炭水化物をしっかりとる必要があります。

特に、“筋トレを行って代謝を活性化して痩せる”なんてことを目標にしているのであれば、「なんだか少しエネルギーが足りないな」と感じつつも筋肉がフル稼働する状況が、一番脂肪が燃えるということを理解しなくてはいけません。

不足が一定以上になればサバイバルモードのスイッチがオンになり代謝は遅くなり、脂肪燃焼どころか、体重減少すら怪しくなります。サバイバルモードにおいてハードな筋トレなんて、飢餓のピークにオオカミが襲ってきたようなものでしかありません。そんな状況で代謝の活性化や筋肉の成長なんて絶対におきません。極限状態で攻めの戦略を選ぶような遺伝子は何千年も前に絶滅しているはずです。

まとめ


したがって、消費カロリーよりちょっと少ないくらいで設定した目標カロリーの範囲で、炭水化物はしっかりと摂取するのが一番脂肪燃焼の効率がいいのです。これまで散々トータルカロリーの設定が最優先だと言ってきた理由はここにあります。

以上が、炭水化物摂取のポイントです。結局体重は徐々に落としていくしかないわけです。最初に焦りさえしなければ結構な速度で落とせますけどね。

これを避けるには徹底した糖質制限ダイエットをやって、脂肪をメインエネルギーとするスーパーサバイバルモードになるしか方法はありません。そういう意味では、ライザップがやっていることは正しいと思います(危険だとも思いません)。糖質制限をするのであれば、あそこまで徹底しないと意味ないでしょう。ゆるい糖質制限は愚の骨頂です。私は個人的にご飯とパスタが大好きなのと必要性を感じたことがないので糖質制限はしませんが。

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
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