筋トレ初心者が理解すべき10回3セット法の要点


はじめに


今回は筋トレ初心者向けによく勧められる10回3セット法について解説したいと思います。

3セット

筋トレは強度が大事という記事は以前書きましたが、Lee LabradaのThe LEAN BODY Promiseという書籍が10回3セット法を初心者向けに分かりやすく説明しているので、それに準拠しつつ具体的に説明したと思います。

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10回3セットのゴール


筋トレ初心者に対してお薦めの方法として、10回3セットが良く紹介されるのですが、10回というのはきりがいいだけであって、10という数字に特別な意味はありません。8回3セットでも12回3セットでも構いません。

特に全く初めてやる入門者であれば、ドリアン・イエーツの言うように、フォーム取得のために数多くやるのが大事という観点から、12回3セットの方が良いかもしれません。

いずれにせよ、トレーニングのゴールはLee Labradaに言わせれば下記の通りになります。

“Your goal during a workout, then, should be to tire out your muscles as the workout progresses. You want your muscles to get increasingly tired out until you reach the point where they are functionally worn out.”

(個人的訳)
ワークアウトの目的は、筋肉をへとへとに疲れさせることである。筋肉が動かなくなるレベルまで、筋肉をガンガン追い込んで疲れさせていくことが重要である。

つまり、目的は筋肉をへとへとに疲れさせることであって、8回だろうが10回だろうがあらかじめ決めた回数を持ち上げることではありません。

ここで、8回にしろ、10回にしろ、8回目や10回目が持ち上がってしまってはいけないと言う人がいますが、そんなことはありません。軽すぎるのはいけませんが、10回持ち上がろうが、持ち上がらなかろうが、最終的にへとへとに疲れさせればよいのです。

1セット目や2セット目に10回上がっても構いませんし、10回でやめて問題ありません。初心者は1セット目から限界に達する必要などありません(むしろ、それができないから3セットやるのです)。もちろん3セットとも10回上がったら、次からは少し重量を上げてみましょう。

そういう意味においては、10回3セット法は重量を上げるタイミングが分かりやすいという非常に大きな利点のある方法です。

もう少し突っ込んでみてみましょう。

筋肉の仕組み


Lee Labradaは、筋肉はデジタルだという面白い説明をしています。

右腕に力こぶを作ってみてください。いったいこの時右腕には何が起きているでしょうか。

この時の筋肉の断面図は下記のようになります。上腕二頭筋の一部の筋繊維が収縮していますが、何か重いものを持っているわけではありませんから、動員されている筋肉はわずかです。

軽く動員

これが重いウェイトを扱うと下記のようになります。

重く動員

ここでのポイントは、筋肉はデジタルであり、1本1本の筋繊維は100%収縮するか全く収縮しないかのどちらかであるということです。動員される筋繊維が50%の力を出すということはないのであって、ゼロか百のデジタルの世界です。したがって、重いものを持て持つほど動員される筋肉量は多くなります。

また、回数を重ねるごとに筋繊維がバテていき、動員される筋繊維が増えていきます。これを繰り返して、できる限り筋繊維を総動員して筋肉全体を疲れさせることが重要なのです。

成長トリガー


では、10回1セットで限界までやれば良いではないかというとそうではありません。なぜかというと、10回1セットでは筋繊維全体の40%から50%しか使われないことが分かっているからです。

したがって、残りの筋繊維を使うためには、1セット目で疲れた筋繊維が回復しないうちに2セット目を行うことが重要です。さらに、3セットやってはじめて、筋肉全体を疲れさせることができるというわけです。

特に、セット間の休憩を短くして、前のセットで動員された筋繊維の疲れが取れないうちに次のセットを始めること重要です。休めば休むほど、新たに動員される筋繊維は少なくなりますからです。とにかく、できる限りすべての筋繊維を使い切ることが重要なのです。

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成長トリガー

筋肉の成長を命じるのは脳です。したがって、脳がこのままではまずいと感じて筋肉成長命令を出すだけの刺激を与えなくてはいけません。そして、そのためには筋肉をくたくたに疲れさせる必要があるのです。

筋肉をくたくたに疲れさせると、脳は、次に同じ刺激が来た時に乗り越えられるようにするために筋肉の成長を命じます。

これは会社における仕事やプロジェクトと同じで、多少部署の数名に残業が続いたくらいでは、会社は人を増やそうとはしません。仕事が増えて部署全員が深夜残業するようになって初めて、えらい人から人を増やそうという指示が出てくるのと同じです。

なお、逆にいうと、成長トリガーに達したらもうそれ以上する必要はありません。とっととジムを後にして、休養と栄養を取ることが重要です。

Lee Labradaは

“At this point, any more sets or reps are waste of time. The stimulus for change has already been sent. Mission accomplished. Take your ball and go home.”

(個人的訳)
成長トリガーにまで達したら、それ以上やるのは時間の無駄である。変化を起こすための刺激はすでに送られたのだから、ミッション終了である。ボールを拾って、家に帰ろう。

そして、その目安が3セットということなのでしょう。

強度が重要


強度というのはいろいろな使われ方がされるのですが、ここでの強度は、重量だけでなく、休憩時間が短くなればなるほど強度は増えるという意味での強度です。

つまり、短期間でどれだけ追い込むかが強度です。

Lee Labradaは、トレーニングの強度がその刺激に対して体がどう反応するかを決め、高強度のトレーニングを通じてのみ、成長トリガーにたどり着けると説明しています。

バーベルカールを1セット10回した後に何時間か休んで、もう1セット10回をしたとしても、それは遊んでいるのと同じだと説明します。体にしてみれば大したことのない刺激であり、特に成長の必要性は感じないからです。

1セット終わったら、短い休憩時間で立て続けに2セット、3セット行うから、筋肉の中の筋繊維を総動員する状況が生まれ、筋肉をへとへとに疲れさせて、成長トリガーに達するのだと説明しています。

ゆっくり休みながら10回を3セットやるのではなくて、10回1セットやった後に1分ほどの休憩で2セット目をはじめ何とか8回やり、さらに1分休憩で3セット目をはじめ何とか6回、とやっていくから、体が

“Wait a second-I’ve got much more work than I can handle. I’d better do something about it.”

(個人的訳)
ちょっと待て、手におえる状況じゃない。これは何かした方がよさそうだ。

と考えて成長に向かうわけです。

では、セット間の休憩は具体的にどのくらいにすればよいかという点について、Lee Labradaは自分の体に聞けと言っています。息が落ち着いたら次のセットを始めるべきと説明しています。そして、それは1分くらいだろうと言っています。

ちなみに、セット間の休憩については、上級者は多くはそんなの自分の体に聞けと説明します。息が整って、さあ次のセットやるぞと思ったらそれがベストタイミングであって、時計でインターバルを図る必要なんてないという考えです。Xfitのこの記事が参考になります。

まとめ


以上まとめると、10回3セット法において重要なことは、10回ギリギリ持ち上がるくらいの高重量を使い、短いインターバルで3セット追い込んで筋肉をへとへとにさせることです。

ポイントは、10回か8回か12回かではなく、また、10回持ち上がるか否かではなく、3セットで一気にへとへとになるまで追い込むという点です。

まずこの点をしっかりと理解することが重要です。

終わりに


今回の記事はLee Labradaの説明が分かりやすかったのでそれに準拠しました。したがって、10回3セット法を前提とした上で、その趣旨を理解するための説明であり、なにがベストかという議論ではありません。

それにしても、重量設定の話(筋肥大か筋力か筋スタミナか)や、セット間インターバルを動かすとどうなるかといった細かい論点に一切言及していないのですが、逆に、細かい話を一切せずに、初心者に対して“最終的に筋肉をへとへとに疲れさせるのが大事である”“セット間の休憩時間は自分の体に聞くべき”と、一番大事な点のみストレートに説明しているところは、本当にポイントをついた良い説明だと思います。これこそがポイントです。

ページ数は少ない本ですが、やはりトップビルダーが書く本は違うなと思いました。

参考


Lee Labrada The LEAN BODY Promise

プライベート空間でダイエット&ボディメイク
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